USCPA(米国公認会計士)を開始して完全合格するまでの話を、USCPA受験体験としてこれまで紹介してきましたが、本記事は受験結果のサマリーです。
受験結果
試験の結果についてですが、これまで受験体験記を読んで頂いた方はご存じの通り、全ての科目を一発合格することが出来ました!

アビタス社のUSCPA講座に申し込みをしたのが2016年11月末で、本格的に試験勉強を始めたのが、2017年5月からになります。それから、約7ヶ月間ほぼ毎日勉強を続け、合格までたどり着くことが出来ました。
新試験制度に変わった直後であり、新試験制度下でUSCPAを受験している情報が少なく、疑心暗鬼になりながら勉強をしてきたため、非常につらかったです。
前職がシステムエンジニアでしたので、会計知識は簿記2級レベルで関連実務経験は全くなしからのスタートでした。
2017年4月以降は、試験受験後から結果発表までの時間が空くため(約四半期毎にまとめて成績発表のため)、一度、落ちれば短期合格することは難しく、無職(金なし・借金あり)の立場からすると、非常に精神的に追い詰められました。
下記が、スコアリリースのスケジュールですが、「2016年と比べて、どんだけ試験結果待たせるんだよ」と新試験制度開始直後にUSCPAに挑戦してしまったタイミングを悔やみました(泣)
尚、残念ですが、2018年4月以降は試験環境が変わることから2017年とほぼ同スケジュールですね。(2018年のAICPA公表スケジュールはこちら)
Testing Window | 受験可能日 | 発表日 | 受験した科目 |
---|---|---|---|
2017年 2Q | 4/1~5/31 | 8/16-18 | – |
2017年 3Q | 7/1~9/10 | 9/19 | AUD, BEC |
2017年 4Q | 10/1~12/10 | 12/19 | FAR, REG |
学習時間
一般的な必要学習時間
予備校(アビタス&TAC)では、 USCPAの学習時間は一般的に約1000時間あれば合格可能とのことだが、この数字かなり怪しい。予備校さん、絶対盛ってるよね。
当校で学習される場合には、授業時間・自宅復習時間込みで700~1000時間となります。お勤めの方の場合には、一般的に9ヶ月から1年少々を見込んでいただければ良いでしょう。(ただし、洋書で学習する場合には一般的にこの2倍強の時間が必要となります)
出典:アビタスHP USCPAよくあるご質問
TACの本科生コースで学習する場合、全科目合格までに必要な学習時間は、約1,000時間(TACでの講義を含む)というのが一般的です。学習期間を1年とすると、1日平均2時間の自宅学習が目安となります。約1,000時間というのは、TACが実施したアンケートにより算出した一般的な方のトータル学習時間です。日本の公認会計士・税理士試験合格者の方の場合は、700~800時間程度を目安としてください。
出典:TAC HP FAQ よくあるご質問
そもそも試験範囲がほぼ重複している日本国公認会計士の人で、700~800時間かかるため、僕のような会計・監査・経理関連の業務経験がない人が約1000時間で合格というのは土台無理がありました。
英語が堪能な経理畑の方、外資系のファイナンス関連の方、ただの資格マニアの方、東大京大卒の勉強が得意な方などは、約1000時間というのが目安になるのではないかと思います。
僕の実際に費やした時間
僕が実際に費やした時間は約1500時間でした。測定にあたり、休憩時間は一切排除して厳密に測定しています。
Togglでの実際の測定データを以下に載せておきます。


費やした学習時間への考察
別の記事でUSCPAの必要な学習時間について、約1200時間と見積もりましたが、それと比較すると300時間オーバーしました。
「なぜ300時間もオーバーしたのか?」を考えてみると、以下のようなことが上げられます。
- 学習順番
- 学習方法
- 追加教材の学習時間
- 目標スコアとスケジュール
「1500時間でした」と言うだけでは、少し味気ないので、1500時間かかった理由について、少し考察してみました。
学習順番
僕の場合、学習した科目の順番としては、以下のようにやや特殊な順番を取りました。受験手続きでいつ受験可能になるかわからなかったため、FARを受験する前にBEC、AUDを学習しました。
学習順番 | 科目 | 日程 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | FAR | 5月1日~6月25日 | 学習のみ |
2 | BEC | 6月25日~7月17日 | 学習のみ |
3 | AUD | 7月17日~ 8月16日 | 受験 |
4 | BEC | 8月17日~9月8日 | 受験 |
5 | FAR | 9月9日~10月26日 | 受験 |
6 | REG | 10月27日~12月10日 | 受験 |
FAR学習から2ヶ月半、BEC学習から1ヶ月とそれぞれ学習期間に間隔が空いてしまったことから、復習に使った時間が増えてトータル学習時間という面では、効率がやや悪くなってしまったことが考えられます。
一方、トータル学習時間以外の観点からだとメリットも多かったです。
- 受験手続き中にFARと関連性の高いAUD・BECの学習を出来たこと
- 学習初回受験から4ヶ月以内に全科目受験する
- 科目間の関連性がわかり、各科目の理解が深まったこと
学習方法
長期的な学習が必要な資格を受験したことがこれまでなかったため、始めの1~2ヶ月の間は自分の学習方法を模索していました。色々な勉強のやり方の本を読んで、自分にあったものを取り入れるようにしていました。
特に、学習開始した直後の2017年4月中旬~6月の間は、全く集中力がなく、一日8時間も勉強することができませんでした。学習効率も悪く、かけた時間の割に論点の理解ができていなかったり、定期的な復習間隔をおろそかにしていたりと、学習方法を確立するまで効率が悪かった点があげられます。
月 | 学習時間 | 平均学習時間/日 |
---|---|---|
5 | 91時間31分 | 2.95時間 |
6 | 177時間44分 | 5.92時間 |
7 | 201時間18分 | 6.71時間 |
8 | 253時間30分 | 8.18時間 |
9 | 205時間59分 | 6.87時間 |
10 | 221時間11分 | 7.37時間 |
11 | 258時間31分 | 8.62時間 |
12 | 89時間17分 | 9.92時間 |
追加教材の学習時間
アビタス教材意外にTACの直前対策(FAR・REG)を購入して、合計約105時間を費やしました。単純にTAC社の直前対策に使った時間を丸々減らせるわけではなく、当然、代わりにMCの演習回数を増やしたり、AICPAリリース問題の演習をしたりと時間を使うことになると思います。
追加教材を使わなければ、この辺は、多少時間を削減することは出来たと思います。
目標スコアとスケジュール
USCPAの合格を目指す上で、75点以上取れれば、当然何点を取ろうが合格は合格なので、点数は気にしない方が多いと思います。実際効率を考えた場合、ある程度目処が立てば、受けるのはありかと思います。
僕の場合、75点目指して受験して、落ちると受験費用を払うのが厳しく、また、無職であることから次のWindowまで待つというのを金銭的に許容できなかったため、高得点を狙うつもりで勉強していました(気持ち的に履歴書に書いたら効果ありそうな点数の85点以上を目標スコアとしてました→未達です笑)
また、3Q Windowと4Q Windowにそれぞれ2科目ずつ受験すると、始めから「スケジュールは固定」で考えていたので、本番受験までの勉強可能時間ギリギリまで勉強をしたため、FARとREGは時間を多めに使いました。
目指すべき学習時間(参考)
僕の場合、以上のような理由で1500時間となったわけですが、これからUSCPAの受験を検討している方は、以下の参考値を目安に是非学習時間を積み上げていただきたいと思います。
- 公認会計士:700~800時間
- 英語堪能+経理/ファイナンス系のプロフェッショナル:1000時間
- 英語堪能+簿記2級の会計知識+勉強得意:1200時間
- 僕と同じようなスペックの方:1500時間
MC、TBS正答率
MC、TBSの正答率については、こちらの記事で別途まとめました。

最後に
USCPAの試験では、最終的に満足のいく形で4科目合格を果たすことができました。
2018年3月5日現在は、まだ転職活動中の状況なのですが、 USCPAをしっかりと活かせるキャリアを模索中です。ちなみに、2017年12月19日に受かって、まだ転職活動しているのというのは、USCPAの市場価値とは一致致しませんのでご安心を。僕個人の一身上の事情により長引いています(笑)
それでは、これまでUSCPA受験体験記として受験編からお付き合いいただいた皆様、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
一日も次の就職先が見つかるようにがんばります!!!
