僕がUSCPA(米国公認会計士)を開始して完全合格するまでの話を、USCPA受験体験としてご紹介します。
今回はREG(Regulation)についての受験体験です。
※本記事は、FAR受験編からの続きとなります。
Contents
REG受験直前期
受験直前期の学習
2017年10月26日にFARを受験後、4th Window(2017年10月1日~12月10日)までの間でREGの受験すべく、REGの学習をスタートした。
まず始めにしたことは受験会場の予約だ(12月10日の最終日を予約)。理由はもちろん一日でも多くREGの勉強時間を稼ぐため、まだ空きがあった最終日を予め押さえておくためである。実は、FARでは大阪のプロメトリックセンターの中津試験会場で受けたい日程の空きがなく、しぶしぶ御茶ノ水試験会場に行く羽目になったからだ。
追加教材
前回の記事でも記載したが、FARとREGについては追加教材を購入している。経緯については、前回記事を参照頂きたい。
購入した追加教材
- TAC社 2017年Simulation対策・総まとめ講義(FAR)/ 25,000円
- TAC社 2017年Simulation対策・総まとめ講義(REG)/ 25,000円
アクセスチケット.comでTAC株主優待券を購入して、教材を10%引きで購入した。TAC社を利用するときは株主優待券必須!!!但し、ネットだと株主優待券が使えないので、予備校まで行って購入する必要があります。
2018/3/27追記:残念ながら、TAC社 2018年Simulation対策・総まとめ講義が1万円値上げされ、35,000円となりました。
追加教材の感想
TAC社のREG直前対策は、全体を通して神教材といっても言いほど質が高い。FARの直前対策は金額的に割に合わないと感じたが、REGは本当に買いである。
関連分野をまとめた表(C corp, S corpとかの特徴を一覧にしたやつ)、Mnemonic(語呂合わせ)、パワポが非常に役立った。REGはよく暗記する量が多いと言うが、この表とMnemonicを使うと大分労力を省くことができる。
直前対策のTBS問題を通して学習すると、税法の一連の流れが見えてくる。この点も非常に良く作り込まれている。
また、この直前対策は、結構、豊富にTBS問題が載っているのだが、過半数がAICPAリリース問題からの問題である。意外なことだが、アビタスのTBS問題集に載っている問題は、アビタスオリジナルの問題がほとんどでAICPAリリース問題からの問題は皆無である。
そのため、アビタス社のTBS問題とTAC社の直前対策のTBS問題(58問)はほとんど問題が被っていることはなかった。言い方を変えると、当然、アビタス社の受講生専用サイトのAICPAリリース問題のTBS14問(2011~2017)とは、一定数被っている。この点は一応注意いただきたい。
REG攻略のために自分でまとめノートを作っている方も多くいるが、まとめノートを作成するのであれば、TAC社の直前対策を買ってしまう方が時間の節約と試験合格への近道になることは間違いない。
2018年版をできれば新品で購入するのがおすすめだが、金銭的にキツければ、ヤフオクやメルカリで比較的新しい中古を買ってしまいましょう。あるかどうかはタイミング・運次第ですが、オークションだと半値以下で通常は買うことができます。※勉強する際は、改訂部分には注意してください。
以下、無料で複数サイト横断検索できるオークファンのリンクを張っておきます。ヤフオク、ラクマとか横断して検索でき、過去の参考価格も確認できるのでおすすめです。
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模擬試験
2017年 11月29日に模擬試験を受験した。12月10日に本番受験のため、試験本番の11日前での模擬試験の受験となった。
注意:一般的に試験本番の1ヶ月前には模擬試験を受けて、その結果により、プロメトリックセンターの予約をするかどうか決められた方が無難です。
模擬試験の感想は、「やや優しい~本番に近い」レベルの問題だと思います。分野を跨いだ総合問題が少なめなため、回答中に知識が混合してしまう問題も少なく、本番よりやや優しいのではと感じました。

尚、模擬試験 v10の受験者のサマリーと比較してみると、以下のようでした。
1ヶ月前に受けた段階だと考慮しても合格者の平均点が61.82点と意外とREGは点を取れていないようです。
- 僕の点数:78点
- 受験者全体の平均点:56.09点
- 合格者の平均点:61.82点
AICPAリリース問題
AICPAリリース問題の成績について参考に記載しておきます。MCは試験本番3日前に解きました。TBSはTAC直前対策に多く含まれているため、追加で対策は行いませんでした。
- 2017年:MC 31/40(78%)
- 2016年:MC 24/40(60%)
- 2015年:MC 33/39(85%)※範囲外の問題を除く
- 2014年:MC 33/37(89%)※範囲外の問題を除く
【REG】総まとめ
【REG】特徴
REGの概要・特徴は別記事にまとめました。学習する上で重要なポイントについても記事にまとめてあるの是非ご確認ください。別記事で取り上げている特徴の見出しだけを以下に記載しておきます。
- FARに次ぐボリューム
- ビジネス法は浅く広く、税法は深い理解が必要
- AreaⅠの倫理関連の問題は得点源
- ビジネス法では意外と英語力が求められる
- 2019年1月から試験範囲が大幅変更
- 試験時間が圧倒的に足りない
- 他分野との関連が比較的少ない
- 暗記だけに頼ると失敗する可能性が高い
- 日本人にとって比較的合格しやすい科目
- Authoritative Literatureの活用が重要
【REG】学習量・学習時間
FARの次にボリュームが多いため、FARの次に大変だった科目です。
税法自体が少し取っつきにくく、勉強していて少し苦手意識を持っていました。
試験範囲自体は、ある程度広いのですが、税法が試験配分で70%となるため、税法を中心的に勉強するようにすれば、試験範囲はそこまで広い印象は持ちませんでした。
学習時間の内、TACの直前対策の復習・TBS演習にかなりの時間を割きました。時間を確認してみると、アビタスの講義よりTAC直前対策の方が多く時間を使っていました。
学習量 | 学習時間(h) | |
---|---|---|
講義 | 動画52h | 63 |
テキスト復習 | – | 60 |
MC | 2318問(3.2回転) | 100 |
TBS | 232問(2.0回転) | 62 |
模擬試験 | 4h | 16 |
AICPAリリース問題 | 4年分 | 7 |
TAC直前対策 | – | 68 |
合計 | – | 376 |
学習時間は合計で375時間でした。別記事でREGの学習時間を312時間と試算しましたが、ざっくりとTAC直前対策で勉強した分をオーバーしています。また、MCも3.2回転と他の科目に比べると演習量が少なかったですね。
以下、Togglで記録した生データを投稿しておきます。


【REG】試験の感想
MC問題
MCは想定通りの難易度であった。
アビタス社のMCを解き込み、AICPAリリース問題をやっていれば、十分に対応できる問題であった。FARと同様に時間が足りなくなるため、ゆっくり考えている暇はなく、かなり急いで解かなければ、時間内に解き終わらない状況でした。
分野を跨いで出題され、知識が混合しやすい問題が多いため、うろ覚えでは素早く回答していくのは厳しい印象でしたので、特にREGでは分野毎の違いをしっかり押さえて、分野をランダムにして演習しておいた方が良いと思います。
TBS問題
TBS問題はやや難しい。というのも想定していない問題の聞かれ方をされて、無駄に時間を浪費してしまった。
受験した段階で初めて気がついたが、REGのTBSは他の科目と比べて少し癖がある。
TBSの問題の中には、Research問題の他に、Authoritative Literatureを参照させながら、その事例にあった情報を調べつつ解答するといった実務に則した問題形式がTBSで出題される。
Authoritative Literatureをしっかりと使いこなして、解答する必要があるため、これから受験する方は、是非、事前にResearch問題にしっかり時間をかけて試験本番に備えていただきたい。
REGでは、FARやAUDよりもAuthoritative Literatureをしっかり使いこなしているかどうかが点数に直結してくるため、試験直前期に入ったら、Research問題を念入りに演習しておく必要がある。
C corp、S Corp、Partnership等の税法上の違いをしっかりに覚えて、参考資料の情報を整理しながら、Basisの算出をできるようなレベルまでしっかり学習して臨んでください。
TBSの中でどれ(Partnership,S Corp等)を前提にして回答するかを参考資料上で確認させながら、情報を整理して回答する必要があります。これ慣れてないと結構ハードル高いと思います。(参考イメージ:参考資料が5個ほどあり、それにA、B、Cの情報が散らばっていて、A、B、CがそれぞれPartner、C Corp、S Corpだったりする)
アビタスの問題集は、複数の分野をまたいだ問題が少ない(皆無)ので、AICPAリリース問題のTBS問題は、できる限り多くの問題を解いておくことをおすすめします。
当然ですが、AICPAリリース問題の難易度は本番に比較的近い難易度・問題傾向(分野を跨いだ問題もそこそこある)になっています。
僕はTAC社の直前対策で追加で学習していたので、それなりに分野を跨いだ問題を解いて、試験に臨んだつもりでしたが、それでも一部の問題では、回答する際に混乱しました。
また、REGは暗記だという人が多くいますが、Basisの計算など重要な論点では、暗記ではなく、理論をしっかり理解していることが重要です。
理論がしっかり理解しているからこそ、S CorpではBasisがこうなり、C CoprではBasisがこうなると論理的な紐付けができますし、逆にこういったことができていなければ、TBS問題で時間内に合格レベルまで解答するのは難しい印象です。
Research問題
Research問題が1問でたが、どうしても該当のIRAの条文を見つけることができず、20分ほど時間をかけたあげく、適当に回答してしまった。一番ダメなパターン(笑)
実は、Research問題は操作方法の確認のため、数問演習した程度で臨んでしまっていました。
FARでのタイムマネジメントの失敗を再度してしまい、受験直後は「過去の失敗を生かし切れていない」自分の不甲斐なさにもどかしい気分を味わいました。
時間配分
REGはFARと同等もしくはFARよりも時間が足りなくなる科目のように感じました。皆さんご存じの通り、Testlet1、Testlet2のMC数は38問と他の科目(AUD 36問、BEC 31問、FAR 33問)より問題数が多く、計算問題もそれなりにあります。
僕はTestlet1を解いている途中で、時間が既に遅れ始めていることに気づき、ややパニックになりました。時間が明らかに足りないため、フラグを立てたところの見直しは捨てて、TBSで少しでも時間を使えるように割り切って次のTestletに進みました。
Research問題やAuthoritative Literatureを参照して解く問題に思った以上に時間を使ってしまい、Testlet5ではFAR同様に明らかに時間が足りない状況になり、最後のTBSの1問を不本意ながら、正解っぽいものをとりあえず選んで回答することになってしまいました。
- Testlet 1: 約51分(MC38問×80秒)/ 残り時間 3時間9分
- Testlet 2: 約51分(MC38問×80秒)/ 残り時間 2時間18分
- Testlet 3: 約34分(TBS2問×17分)/ 残り時間 1時間44分
- 休憩(15分)
- Testlet 4: 約51分(TBS3問×17分)/ 残り時間 0時間53分
- Testlet 5: 約51分(TBS3問×17分)/ 残り時間 0時間2分
【REG】試験の結果
Score 80点で合格していました。
蓋を開けてみると、4科目中でREGが一番出来が悪い点数で、追加でTAC社の教材を買って対策した割には、やや不甲斐ない結果でした。たらればの話だが、TAC社の教材買ってなかったら、もしかして落ちていた可能性すらあるような・・・
Authoritative Literatureを参照する問題で無駄に時間をかけすぎてしまったこと、分野を跨いだ問題で内容を混乱してしまい一部失点してしまったこと、最終テストレットで時間がなくなって適当に回答したことなどが原因に上げられると思います。

【REG】試験攻略のポイント
最後にREGを攻略する上での重要ポイントについて、再掲しておきます。
- 試験範囲が比較的広いため、適切なタイミングでの復習を心がける
- 配点15%のビジネス法は浅く広く、70%の税法は深く理解する
- AreaⅠの倫理関連の問題(15%)を得点源にして時間節約
- TAC社直前対策がマジでおすすめ
- 2019年1月の法改正前に試験をPassする
- Authoritative Literatureを使いこなして、癖のあるTBSを突破する
- FARとは違いResearch問題は捨てなくてもいいようにしっかり対策する
- 試験本番は時間が足りないのでタイムマネジメント注意
- AICPAリリースのTBS問題は演習必須!分野を跨いだ問題に慣れておこう
最後に
試験結果をまとめた総括記事はこちら!トータル学習時間は約●●●●時間でした!