BECのWC(Written Communication)対策をするなら、まずは知っておきたいAICPAの採点基準についての本記事でまとめました。
予備校を使っていても意外とここら辺の理解が不足している可能性ありますので改めて再確認しましょう!
Contents
Written communication tasks(WC)とは
BECには唯一WC問題(記述式)が含まれる科目です。5つある最終テストレットで出題され、3問中2問(1問がダミー問題)が採点されます。WCは全体の15%の配分があるので、1題あたり7.5%の配点があることになります。
WC問題では、一般にビジネスメモまたはビジネスレター形式で記述式での回答になります。ライセンスを持つCPAとして、提示されているシナリオに基づいて、エグゼクティブ、監査人、クライアントに対して、提起されるニーズや心配事に対して解決策を提示することが求められます。
WCはAUD、FAR、REGの分野から出題される可能性もあり、一般に米国ではトピックに対する知識というよりは、Writingスキルについて評価されると言われています。
AICPAが公開している採点基準について
AICPAの公開しているWCの採点基準について、HPで確認してみましょう。3つの採点基準が確認できるはずです。早速チェックしてみよう。
2018/7/29追記: AICPAのHPにて、WCについて記載されていたページが削除されてしまっていました。これまでのWCの採点基準から大きく乖離することはないと思いますが、公式に採点基準をHP上ではもう公開していないようです。
前提条件
前提条件として、以下の場合は一切採点されないので注意。
- 提示されたシナリオからOff-topicした場合
- 明らかにillegalなアドバイスをした場合
採点基準①:Organization
文全体の構造、アイデアの順番やアイデア間の話のつなげ方に関する構成点。以下の3点が構成要素です。
- Overview/thesis statement
- Unified paragraphs (topic and supporting sentences)
- Transitions and connectives
これはつまり、”①Overview/thesis statement”ではテーマをしっかり提起しているか、言い換えるとIntroductionに相当します。この部分は一般的に、シナリオに与えられているのでそれをリフレーズして記載すれば良いので簡単です。
某予備校では、Introductionではシナリオに記載されている文をコピーすればよいとの説明がなされていますが、AICPAの採点基準の一つに、Rephrasingが明確に要求されているので丸写しするのではなく、リフレーズしたほうが無難かと思います。
“②Unified paragraphs (topic and supporting sentences)”について、これはIELTSやTOEFLなどWritingで勉強したことがある人だとお馴染みの1つのparagraphに1つのtopicを記述するというルールですね。
つまり、段落の一番始めの文(Topic sentence)で、Overviewを支えるtopicを提起して、そのtopicのsupporting sentenceを続けて記載するということです。
段落の最後の文(Conclusion sentence)でtopicをリフレーズして終えるという英語の一般ルールです。
意外とこのルールは普段英語で仕事をしていても、英語でエッセイを書いたことがないと馴染みがなく、このルールに従わずに減点される可能性があるので注意しておきたいですね。
一つの段落に複数のトピックを羅列してしまい、一つ一つのTopicにSupportしている文がない場合に当てはまります。
“③Transitions and connectives”は、”First, Second, Third, In addition, For example, Because of, However”といった用語を使って、しっかり文と文の間をうまくつないで文章を作成するようにという意味です。
参考のために、以下に、Transitions and connectivesのリストのURLを貼っておくので、内容を簡単に確認しておいてください。
https://www.tamiu.edu/uc/writingcenter/documents/TransitionsandConnectives.pdf
採点基準②:Development
意見を明確にするための文書の裏付けとなる証拠/情報に関する構成点。以下、4点が構成要素です。
- Details
- Definitions
- Examples
- Rephrasing
採点基準①で述べたSupporting sentenceに上記の①~③といった要素を使って作成すれば良いですね。
④Rephrasingについては、段落の構成上、段落最後のConclusion sentenceでTopic sentenceを言い換えて段落を書き上げ、Topic sentenceと関連性がある締めの文を記載すれば良いです。
また、④では、シナリオ文に書かれているキーワードと類似する語彙を使用して回答すれば、コンピュータでの採点上、「適切な語彙でリフレーズしている点」で評価されやすいと考えられます。
採点基準③:Expression
ビジネス英語の従来の標準の文書の使用に関する構成点。以下、5点が構成要素です。
- Grammar (sentence construction, subject/verb agreement, pronouns, modifiers)
- Punctuation (final, comma)
- Word usage (incorrect, imprecise language)
- Capitalization
- Spelling
上記①の文法を気を付けるというのは当たり前ですが、③の用語を正しく使用しているかといった点を注意しましょう。
各分野で定番として使われているキーフレーズなどは、しっかりと論点集を覚えておき、本番でしっかりと使いこなせるよう準備しておくとよいでしょう。
ビジネスライティングについて
AICPAのHPをみると、古典的名書について以下2冊を紹介してあり、「後は自分で勉強して受験してね!」と丁寧に説明がしてあります。
ということで、”The Elements of Style”をAmazonで確認してみると・・・
むむむ・・・!
Kindle版がめっちゃ安いやん!レビューもめっちゃ高いし、ベストセラー1位じゃん!
ということで、ポチって読んでみることにしました。
フィリピンで留学してIELTS対策とかしてたけど、目から鱗が落ちる情報がちらほらあった。これ、普通にWritingの勉強になりましたが。。。
結論!BECを受けるだけなら、別にこれ読まなくてもいいわ!
同様に”The Business Writing Handbook”についても確認したが、 ペーパーブックで値段も結構するので、こちらの購入は見送りました。
“The Elements of Style”は普通にいい本(しかも格安)でしたので、ビジネスライティングに興味があればUSCPA受験後に熟読ください。特に、「IELTSやTOEFLといったWrittingがある試験を受ける」や「海外大学/大学院で英語のエッセイを書く必要がある」といった場合はオススメです。
尚、”The Elements of Style 1st edition”であれば、日本語訳で書かれているサイトがありましたので、こちらを見ていただければ日本語で内容が確認できます。但し、初版が1918年と非常に古く、2000年の第4版のものと比べると内容が現在と則していない可能性があるので注意が必要です。
William Strunk, “The Elements of Style” (Japanese Translation)
自動採点について
CPA試験の記述式問題では自動採点(Automated scoring)が行われている。
・語数に対する文法の誤りの割合
・語数に対する用語の使用法についての誤りの割合
・最高点を獲得した作文との類似度
上記に加え、実際には、数十種類に上る要素が変数として用いられており、合否ラインに近い受験者では人によるチェックもされているようである。
最後に
BECのWC対策の導入として、AICPAの採点基準をまとめてみましたがいかがでしたか?
新試験制度になってから、BECにTBS問題(35%)が加わったことからWCでは少しでも点数を獲得しておきたいところですね!
WC対策について、本記事の採点基準だけ見ても対策は難しいですよね・・・
次は、WC対策その2として米国主要予備校のストラテジーを確認してみましょう!
最後に、WC対策は必ずやりましょう!