USCPAの科目であるAUDの概要、特徴、注意しておきたいポイントをまとめました。
Contents
AUD(Auditing and Attestation)とは
AUDとは、公認会計士が行う監査業務に関する科目です。アビタス社HPでは、以下のように説明がされています。
監査及び証明業務では、企業の経営者が作成した財務諸表を監査する監査人の立場で学習します。監査計画や監査手続、監査報告等の監査プロセスについて、米国の監査基準で理解すると同時に、国際監査基準(ISAs)との比較についても学習します。(アビタス社HP)
AUD試験範囲
AUDの試験範囲は、大きくArea Ⅰ~Ⅳに大別されます。以下はAICPAが公表している試験範囲からの抜粋です。
- Area Ⅰ:倫理、専門家の責任、一般原則
- Area Ⅱ:リスク評価と監査計画書の評価
- Area Ⅲ:監査手続きの実行と監査証拠の取得
- Area Ⅳ:監査結果、監査報告書の作成

「AreaⅠ:倫理、専門家の責任、一般原則」がMCに頻出
試験の15-25%は「AreaⅠ:倫理、専門家の責任、一般原則」から出題されます。AreaⅠに関連する問題は、受験した感想からすると、直接的に問われるような問題はほぼMC問題で出てきた印象です。
ちなみにAreaⅠに含まれる詳細項目は以下のような内容です。
- Nature and Scope (Audit / Non-audit Engagements)
- Ethics, Independence and Professional Conduct
- Terms of Engagement
- Engagement Documentation
- Communication Requirements
- Quality Control
このほとんどの内容が、「Skill Level 1: Remembering and Understanding」または「Skill Level 2: Application」の問題しか出題されませんので、ここで確実に点を稼ぐことが重要です。
TBSではより応用的な問題(Skill Level 3: Analysis、Skill Level 4: Evaluation)がでるため、実質的にAreaⅠの範囲はMC問題では3割くらいの頻度でこのAreaⅠの問題に遭遇しているように感じると思います。
AreaⅡ、Ⅲ、Ⅳは、「Skill Level 3:Analysis」や「Skill Level 4: Evaluation」の問題がTBS問題で出題されます。
アビタス社のテキストでは、Area Ⅰの部分が約1章分のボリュームに書かれており、範囲が狭い割に本番のMCで多く出題されるので、この範囲は重点的に読み込み、細部まで暗記しておく方が良いでしょう。
意外と試験勉強している時は、出題範囲/頻度を知らずに一通り勉強してしまい、最後のAICPAリリース問題をやっているときに、頻出範囲を知ることになる方も多いかもしれません。
※僕はAUD直前にAICPAリリース問題を解いたときに出題範囲を確認しました(泣)

得意・不得意が大きく分かれる科目
得意・不得意が大きく分かれる科目と言われているのがAUDです。合格体験などを見てみると開始時の英語力が低い方は特に不合格になっている方が多い科目ですね。
<得意な人の特徴>
- 経理業務などで監査対応の経験がある
- 英語力が高い ⇒ 抽象的な言い回しやハイレベルな英語に対応できる
- 薄いテキストをしっかりと熟読し、基本をしっかり理解できている人
<苦手な人の特徴>
- 業務経験がなく監査業務のイメージが全く湧かない
- 英語力が得意でない人(語彙レベルが高く、抽象的な問題が多いため)
- MC問題だけ回して、テキストの理解がしっかりと出来ていない人
基本の理解が重要
AUDでは特にテキストを熟読して基本を理解することが重要です。
但し、MCの演習を軽視しているわけではなく、「AUDのテキスト読込⇒MC問題演習」としっかりと基本の理解から問題へ応用できるようにすることが重要です。
監査のプロセスのどこの工程に対する作業なのかを認識しながら、MC問題に解答できるように、大局観を持って学習するようにしましょう。
MC問題を複数論点またいで、ランダムで解くのも勉強終盤ではおすすめです。
尚、MC問題だけを一生懸命になり、回数を多く回そうとするのはあまりおすすめできません。問題数も多くないので、答えを覚えてしまいますし、理解が曖昧のまま回答してしまわないように注意が必要です。
当然ですが、不正解の問題がなぜ不正解なのかの理解していることも重要です。計算問題だと不正解の確認は不要ですが、AUDではほぼ全問で不正解の理由について確認が必要です。
確実に合格を目指すならば、TBSは少なくとも2回転はしておきたいところです。MCの断片的な知識で対応できますが、TBSはそのテーマについて深い理解、全体像の理解が得られます。
レポートの基本形の理解が重要
レポートの基本形を熟読し、各レポートの内容の違いの理解も重要です。レポートの文面の大枠(どこどういった文言が入るのか)を暗記していれば、すぐに得点になるということも時々あります。また、応用問題を解く際にレポートの知識が活きてきます。
各レポートの相違点をマーカーやコメントをして明確にしておき、レポートだけを通して、チャプターを横断的に確認・音読をすると効果的に学習出来ると思います。
試験では時間に最も余裕がある科目
AUDは計算問題が皆無のため、試験では唯一時間が余りやすい科目と言えます。
試験中のタイムマネジメントの必要性があまりないため、どちらかというとゆっくりと問題文を読み返し、内容に咀嚼がないか何度も確認をして回答する余裕があります。
問題文を熟読し、読み違いから逆の選択肢を選ぶなどのイージーミスを極力減らすようにするのが重要です。
時間に余裕があることから、試験環境に慣れるという意味合いで、FAR、REGといった時間が足りなくなる科目より早く受験してみるのも一つの作戦です。英語力に不安がある人は、早く受かっておきたい科目です。
FARと最も関連性の高い科目
AUDはFARと最も関連性の高い科目です。企業が作成した財務諸表を監査するといった性質上、FARの知識は必須ですし、FARが得意な方はAUDの内容も比較的に理解しやすいと言えます。
AUDのTBSの問題の中には、「逆仕訳が必要な問題」や「FARのような問題」が出題されています。
FAR学習後、FARの内容を忘れる前にすぐにAUDは勉強しておきたい科目です。